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2021-04-19 注目動産

この動産に注目! ― 魚介類 ―

 桜が散ってから日々の気温が徐々に上がり、出かけたくなる陽気な日が増える中、新型コロナウイルスの感染者数も比例しているように増加しつづけている。幸い、新型コロナワクチンの接種も1ヵ月まえからだいぶ増え、合計の接種回数は180万回を超えている。ただ、夏にも集団免疫に達する可能性のある米国と比べて、ゴールは依然として遠いようで、遮るものなく外気を吸いながら自由に動き回れる日が来るまで、まだ年単位で辛抱強く待つ必要もありそうだ。

 ところで、オリンピックの聖火リレーは3月末に福島県よりスタートしてからすでに11の府県を通過しており、オリンピックの本番まで着実に近づいていることは改めて実感させられた。海外観客の受け入れを断念した今回のオリンピック、新たにチケットを取る際のハードルもだいぶ下がっているはずと期待を膨らましつつも、あと3ヵ月したら本当に安心して気軽にこのスポーツの祭典を楽しめられるのか、不安もなかなかぬぐえない。

 スポーツの観戦は目や心を楽しませてくれると言えるなら、今回のテーマである春の魚介類は言うまでもなく、舌を大いに楽しませてくれる食材となる。春を代表する魚介類はホタルイカを筆頭に、マダイやカツオなどが挙げられる。ホタルイカに関しては、今年の水温状況がよく、資源量も多い中、生産地では水揚げが潤沢と言われている。また、マダイやカツオについては、鹿児島県や宮崎県での初ガツオの漁獲が好調であるほか、マダイの主な養殖地である愛媛県における出荷も伸びている。東京都中央卸売市場が発表している2月時点の卸売価格をみると、生鮮マダイ(養殖)は1kgあたり597円、生鮮カツオは同569円、前年同月と比べてそれそれ26%安、53%安と、比較的割安な水準で推移している。新型コロナウイルスによる影響が大きかった昨年と比べて、これらの魚介類の需要も大きく伸びることが期待される。

 春の魚介類を安い値段で楽しめられるなら、やはり嬉しいことである。しかし、魚介類と言えば、東京電力福島第一原子力発電所の処理水が2年後に海へ放出されることが伝えられ、地元の漁業団体などから反対の声も上がっている。調べてみると、同じ対応はすでに多くの国で行われているようで、日本の独創でもなさそうだ。飲んでも大丈夫なレベルまで処理が行われ、おそらく大丈夫と思いつつも、2年後に処理水が放出される時には、やはりこのことをきれいに忘れた状態でいたい。
 
(孫記)

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