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2020-10-21 Fintech

スーパーコンピュータ

自分でも呆れるほどべイスターズ狂の私。毎シーズン幾度も横浜スタジアムに足を運び、選手たちに声援を送っています。その中には、開幕戦など、「特別な試合」がいくつか存在しますが、その1つに「本拠地最終戦」があります。本拠地最終戦は、今シーズン限りで引退を発表した選手の挨拶あり、1年間を振り返るセレモニーありとファンにとっては是が非でも足を運びたい特別な試合。私も毎シーズン現地観戦し、シーズン終了の寂しさを噛みしめているのですが…そんな特別な1日に、とんでもないイベントが開催されるようです。

Yahooニュースによれば「プロ野球DeNAと横浜スタジアムは15日、日本電気株式会社、LINE株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー、横浜市(協力)と10月30日から11月1日のDeNA・阪神3連戦(横浜)で、現在50%としている観客の上限を80%を目安に引き上げて開催する」と発表されています。この取り組みは、今後の大規模イベント開催ガイドライン策定に向けた技術実証の一環として実施されるものであり、スーパーコンピューター富岳などを利用した飛沫の影響検証や、高精細カメラによるマスク着用率の把握を行うとも記されています。さらに10月30日、31日と実施して、特に問題がなければ11月1日は100%入場で開催するそう。その11月1日こそ「本拠地最終戦」なのです。大事な試合が「実験場」になるということです。何てことでしょう!

困惑を隠しきれない中、最近、コロナ関連のニュースで良く耳にするスーパーコンピュータ「富岳」について少し調べました。
「富岳」は今年の6月、ヨーロッパのスパコン学会「ISC2020」が発表するスパコンの性能ランキングで、堂々の1位を獲得したことから一躍有名になりました。とにかく、計算速度が滅茶苦茶早く、毎秒41京5530兆回に及び、前回王者の米国のスパコンを大きく引き離しました。「富岳」という耳慣れない名前は昨年一般公募され、約5,000件の応募の中から決定されています。「富岳」は富士山の異名であり、富士山の「高さ」と「すそ野の広がり」に掛けて「性能の高さ」と「ユーザーの拡がり」を意味しているそうです。あらためて由来を聞くと、良い名前ですね。

そんな凄いスパコンも、実は私たちが日常的に利用するパソコンと「機能」で比較すると違いがないということはご存知でしょうか。言い換えると、スパコンにできてパソコンにできないことはひとつもないということです。ただスパコンは「圧倒的に早い」というだけであって、普通のパソコンも時間をかければ同じ計算結果を算出するのです。このあたりがコンピュータの妙とも言えます。
他の機械ではそうはいきません。例えば電動ドリル。家庭用のドリルでは穴を空けられる材料は木材程度ですが、業務用ドリルであれば鉄板でも軽々穴を空けられたりします。つまり他の機械では業務用には「でき」、家庭用には「できない」機能差が存在しますが、コンピュータにはそれがないのです。面白くありませんか。

話は戻り、ハマスタ最終戦。球団は、該当する3日間のチケット料金を35%割引で販売すると発表しました。つまり料金を35%割引くから、新型コロナに感染するかもしれない実験に参加して欲しいということになります。幾ら我が国が誇るスーパーコンピュータ「富岳」の計算パラメータになれるからといって、すすんで被験者になるか?「野球が見たいから」「チケット代がお得だから」といって感染リスクが高い実験場に行くか?ここは「ベイスターズ狂」ならば、忠誠の証として最終戦に行くべきなのか?

考える時間はまだありますが、万一の場合「観戦して感染しました」なんて冗談では済まされないでしょうし、周囲に与える影響を考えると今回ばかりは。。。今のところは、残念ですが自重しようと思います。

(田中記)

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