この動産に注目! ― 米 ―
先月のこのタイミングでは、経験のない暴風・大雨をもたらす台風10号が日本に接近していたが、約1ヵ月経ってから、今度は台風14号がゆっくりと日本に近付いている。その勢力も進路も掴めにくいようで、天気予報をみて も、進路の予想がころころと変わり、今日のこの頃はなんとブーメランのように再び南へ戻っていく予想も出ており、何とも不思議な台風である。東京では台風の影響で週末2日間はともに雨の予想になっているため、ここ最近200人前後で推移している新型コロナウイルの感染者数も週明けになると多少減るかもしれません。
しかし、10月に入ってから東京もGotoキャンペーンの対象となっており、新型コロナウイルスと隣り合わせる日々に徐々に慣れてきている中、日常の生活もマスクと手洗いの頻度を除いてすでに新型コロナウイルスが出現した 前と大して変わらなくなっている。アメリカのトランプ大統領もすでに新型コロナウイルスに感染してしまったが、入院3日で退院となり、早くも職務に復帰したことがなかなか印象的である。特殊な治療を受けていることに加え、 選挙への焦りが早期退院の背景にあると言われているものの、世界中に伝えられた74歳のその姿を受け、人々が新型コロナウイルスへの警戒もますます緩んでいきそうだ。
ところが、緩みと言えば、今回のテーマである米にも当てはまる言葉になっている。米の需要については、小売価格が高止まり、消費者の需要が緩んでいるほか、新型コロナウイルスによる影響で業務用需要も大きく落ち込んでいる。一方、2020年産米については、農林水産省が公表している9月15日時点の作柄概況によれば、作況指数は101と平年並みの水準であるが、100を上回ること自体は4年ぶりであり、収穫量も前年比1%増の735万トンとなる見通し。需要が緩む中でこうした豊作基調は、米価格にとって大きな下落圧力となっており、JAグループが米生産者に仮払いする2020年産米の「概算金」は、2019年産米と比べて主力銘柄の大半が2~7%下落することも伝えられている。今後は卸売価格や小売価格にも波及し、米の販売価格は6年ぶりに下落することが見込まれている。ただ、卸売価格や小売価格が下落に転じた場合、果たして消費者の需要回復につながるか、まだ未知数である。
筆者の場合は、テレワークの関係から家での米消費量は減るところか、むしろ増えている感覚である。新年産米の流通が徐々に増え、一刻も早く新米でご飯を炊きたい気持ちはやまやまだが、家にある旧年産米の在庫を見ると、買いだめしすぎたことについてはやはり深く反省しなければいけない…
(孫記)