お知らせ&コラム

2020-09-14 注目動産

この動産に注目! ― 集成材 ―

 経験ない暴風・大雨をもたらす台風10号が過ぎ去ってから、東京の暑さは幾分和らぎ、夜になると涼しい風が吹き、エアコンをつけなくても寝れるようになったことは嬉しい。あと1週間程度でいよいよ秋分の日となり、季節 的には出かけたくなる時期になるが、東京の新型コロナウイルの感染者数は日々200人前後と、気軽に出かけられない状況は変わっていない。とはいえ、東京都は、一時期と比べて感染状況が落ち着いてきているとして、感染警戒 レベルを1段階引き下げており、救急事態宣言終了後の感染拡大を考えると、もう少し様子をみたほうがよさそうだ。

 新型コロナウイルの感染拡大が収まらない中、注目されるワクチン開発も急ピッチで進められ、現在世界中では100種類以上のワクチンが開発されていると言われている。中国とロシアは、すでに自国内で医療関係者などを対 象に開発中のワクチンの接種を開始しているほか、米国でも年内の供給開始を目指していることが伝えられている。安全性の確認には時間がかかるとされるワクチンは本当に約1年程度で開発できるのか、安全性に不安を覚えな がらもマスクをつけなくて済む日の到来が待ち遠しい。

 ワクチンや治療薬が開発されるまでには、新型コロナウイルスによる影響は収まりそうもなく、今回のテーマである集成材もその影響を受けている。集成材などの木材が多く使われる新設住宅の着工は昨年の消費税増税を きっかけに減速に転じ、新型コロナウイルスの感染拡大による影響も重なり、直近7月時点ではすでに13ヵ月連続で前年同月を下回っている。これを受け、集成材の需要も低迷しており、価格が圧迫されている。需給面の要因に加え、用途で集成材と競合する輸入製材の価格が下がっていることも集成材価格を押し下げる要因となっている。一般財団法人日本木材総合情報センターがまとめた「木材価格・需給動向」によれば、8月現在の集成材価格(東京・問屋店頭渡し価)は昨年12月以降8ヵ月ぶりに下げ傾向に転じているという。足元では、新型コロナウイルスの影響が続き、新設住宅着工の低迷も長引くと予想される中、集成材の価格も低迷する需要に抑えられ、弱い展開が続く とみられる。

 天気が涼しくなり、まだ当分先とはいえ、インフルエンザの流行シーズンも確実に近いづいている。筆者は昨年、風邪が長引いたせいでインフルエンザの予防接種のタイミングを外し、結局家族ともインフルエンザにかかって しまう悲しい出来事に遭遇した。新型コロナウイルスのワクチンはまだ望めなくても、インフルエンザの接種しっかりとやったほうがよさそうだ。ところが、新型コロナウイルスの変異も非常に多いと言われているが、さすがにインフルエンザのように毎年接種しなければいけないことはないように祈りたい。

(孫記)

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