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2020-06-15 注目動産

この動産に注目! ― 中古自動車 ―

 ここ数ヵ月は、 新型コロナウイルスの影響で「緊急」や「早急」、「急ぎ」といった言葉に接することがやたらに多かったせいか、時が過ぎるペースも例年より速くなっているようで、あと2週間ちょっとしたら今年もいよいよ折り返してしまう。関東地方はすでに梅雨に突入し、30℃を超える真夏日も徐々に増えており、マスクを着けているときの息苦しさは幾何級数的に増幅している。世の中の必死な抑え込みで新型コロナウイルスによる感染の勢いは 一時期と比べてだいぶ衰えてきており、東京でさえ休業要請等の緩和がステープ3に入り、最終的な解除の一歩手前までたどり着いている。 

 東京の新規感染者はまだゼロになったわけではなく、新型コロナウイルスと付き合う日々が続く。とはいえ、数ヵ月をわたってブレーキを踏み続けてきた世の中もようやく再び動き出すためにアクセルを踏み込もうとしている。筆者の場合は、まだテレワークが続いており、途切れ途切れするパソコンの反応の遅さも一向大きく改善されず、イライラ感を我慢する状況に大きな変化はない。世の中の動きに合わせてテレワークの接続スピードを上げるアクセルがあったら、思い切って踏みたいところである。

 一方、今回のテーマである中古自動車の市況についてはアクセルどころか、まだブレーキがかかる状況が続いている。中古自動車オークション大手のユー・エス・エスが発表しているオークションの月次データによると、4月の成約率は46.9%と、前年同月の59.2%を大幅に下回り、2008年12月以来の低い水準となっている。また、5月の成約率は、53.3%まで改善したものの、依然として前年同月(60.5%)を割り込んでおり、車両の成約単価も前年同月比2.7%低い633千円と、低迷が続いている。新型コロナウイルスによる海外需要の減少や国際輸送の停滞で、輸出業者による買いが減速したほか、国内需要も外出自粛で大きく減少したことが響いた。欧米や中国の経済活動再開で海上輸送が7月以降回復に向かうとの見方があるものの、新型コロナウイルスによる影響は完全に払拭できない中、中古自動車の市況はどこまで持ち直せるか、注目される。

 ところで、新型コロナウイルスの感染第2波が懸念され、11日のニューヨーク株式市場は急落し、値下がり幅は過去4番目の大きさという。これを受けて日経平均も大きく下がっている。筆者の感覚では、新型コロナウイルスの第1波すら完全に過ぎ去っていないのに、もう第2波の心配をしている株式市場はさすがである。世界中の国が金融市場のスピード感と勢いをもって新型コロナウイルスに対応できたら、そもそも今の状態になることもなかったかもしれないとつくづく思う……

(孫記)

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