コロナショック(その4)
新型コロナウイルスの全世界での感染者数が4月28日で300万人を超え、死者も4月30日時点で22万人を超えました。
今年1月の本コラム執筆時点では、中国での感染者数が8,000人を超え、感染者が170人を超えたと記載しています(当時の感染はほぼ全数が中国国内)が、わずか3か月でこのような急拡大を予想できた人はどれだけいたでしょうか。
1月の本コラム執筆から3か月が経過し中国での感染者と死亡者数はほぼ横ばいとなり、感染拡大は収まってきました。しかし、米国では感染者数が100万人を超え、死者も6万人を超える事態となっています。米中の関係悪化のみならず世界的な経済活動の低下により原油価格が急落しており、世界経済に混乱をきたす要因となっています。
世界的な感染者数の急激な増加によりドイツなどごく一部の国を除き、医師や看護師、高度医療機器等を含む医療体制が崩壊しているとの報道も先月以上に目にするようになりました。新型コロナウイルスについて新たにわかってきたことも増えていますが、抜本的な治療薬や方策は見つかっていないのが実情です。
3月末時点での国内での感染者数2,000弱、死者数は56でしたが、1カ月経過した現時点では感染者数は14,000人近くとなり、残念ながら亡くなった方も約400名となってしまいました。3月20日から22日の3連休から2週間を経過した4月上旬から感染者が急拡大したようです。
全国に緊急事態宣言が出され、5月の大型連休まで外出や移動を抑制する動きが拡大しています。緊急事態宣言が1カ月程度延長される見通しとのニュースも伝わってきました。筆者も3月の終わりから、近畿地区への長期滞在を余儀なくされ、自宅のある関東への一時帰宅もできなくなっている状況ですが、いつこの状況が解除されるか気がかりです。
経済活動が全体的に縮小する中、テレワークを余儀なくされる企業も急激に増加しています。弊社もご多分に漏れずテレワーク体制が主流となっています。「働き方改革」が思わぬ形で一気に浸透しつつあり、当然のことながら個人消費にも変化が生まれています。
量販店やコンビニエンスストアの店頭から商品がなくなってしまうようなことはマスク等一部の衛生用品を除き見られなくなり、消費活動は落ち着きを取り戻しつつあるように見えます。
ただし営業自粛が要請されるなど飲食店、外食関連の事業者にとってはかつてない厳しい時代となっており、特に焼き肉店などで提供されることの多い黒毛和牛の価格が低下する一方、相対的に安価な豚肉価格が上昇しています。
一方、オンライン飲み会やオンラインイベントなどが脚光を浴びており、スーパーマーケットやAmazonなどの通信販売の売り上げは堅調に推移しているようです。また、マスクの品不足や価格高騰が長期化するにつれ布製マスク の良さがSNSを通じて改めて見直されたり、飛沫感染を抑制するためにクリアファイルを代替するるなど、消費活動が全体的に低迷する中にもごく僅かな明るい兆しを見出そうとする動きが芽生えているようです。
ちょうど1年前の本コラムでは、当時頻繁に言われていた「平成最後の・・・」ということについて触れました。昨年までは大型連休であったり米中貿易戦争を起点とした世界や国内の景気や経済の先行きについてコメントしていましたが、1年でこんなにも世界の様相が一変してしまうとは。
しかし、できないことの不自由さ、その他諸々のネガティブな側面を嘆いたり批判するだけではいつまでたっても未来にはつながりません。こんな新しい発見があった、人とのつながり方が新たに見つかったというポジティブな側面に注目しながら日々の生活を送るとともに、また笑顔で大切な人たちと再会できるように、今年の大型連休は物理的な接触を避けることを心がけて行動していきたいと思います。
(堀記)