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2020-03-23 Fintech

テレワーク

「鬼滅の刃」が流行っているそうです。TVやインターネットで話題になっていたのは知っていたのですが、ここへきて私の周りでも「面白い!」「ハマった!」との声が聞こえてくるようになり、時代遅れ恐怖症気味の私は、否が応でも覗き見ずにはいられない状況になってきました。

「鬼滅の刃?初めて聞いたよ!」という人はそういないとは思いますが、念のため紹介しておきます。「鬼滅の刃」は、「週刊少年ジャンプ(集英社)にて2016年11号より連載中。大正時代を舞台に、主人公が家族を殺した「鬼」と呼ばれる敵や鬼と化した妹を人間に戻す方法を探すために戦う姿を描く和風剣戟奇譚」です(Wikipediaより)。

最初に話を聞いたときは、「少年ジャンプって子供向けの漫画でしょ?鬼退治?今更?何が面白いんだ?」と思ったのですが、読み始めてみると、なかなか面白い。コロナウィルスの影響で時間を少し持て余していることも手伝い、Amazone Primeでアニメ版26話も一気にコンプリートしました。個人的には、「ハマった!」とまでは言えず、その魅力を垣間見た程度にすぎませんが、”流行り”に乗り遅れずに済んだかなと、少し満足しています(笑)。

”流行り”といえば、新型コロナウイルスをきっかけとしたテレワークへの取組が各社で進んでいます。私が最初にこのニュースを耳にしたのは、GMOインターネットグループ(以下、GMO)での取組でした。GMOは、1月27日から4,000人を対象にテレワーク勤務を推奨しています。当初は2週間の予定だったそうですが、現在も在宅勤務の期間を延長しており、出社する社員は1割ほど、ということです。

スタートからひと月半が経過していますが、同社の広報担当によれば、「今のところ業績への影響は出ていない」とのこと。さらに同社は2月28日と3月16日の2回にわたり、在宅勤務に関する社内のアンケート調査結果を公開しています。在宅勤務体制について9割近くがおおむね高評価、7割が大きな問題はなしと答えており、心配された業務への影響は少ないようです。ただし、詳細を見て行くと「業務に支障が見られる」と回答をする社員もあり、その多くは、「一般事務・管理部門・営業管理部門」、「金融系グループ各社」の職種およびグループ会社だったといいます。

■(参考) GMOインターネット株式会社ニュース
 2月28日(https://www.gmo.jp/news/article/6699/
 3月16日(https://www.gmo.jp/news/article/6713/


金融系でテレワークを難しくしている要因のひとつに、先行するITや家電メーカとは比べ物にならない、個人情報の取扱量があるように思います。情報漏洩がもたらすリスクをどう抑え込むかが、普及のひとつの鍵になっていることは間違いのないところ。銀行での状況を見てみると、2016年7月にメガバンクで初めてテレワーク制度を導入したと言われている三菱UFJ銀行は、「セキュリティ対策を施した専用端末を支給し、情報管理を徹底した」と伝えています。また三井住友銀行も、「仮想デスクトップのノートパソコンを全社員に配布し、シンクライアントPCの徹底活用を推進したことで、自宅での業務を可能にした」と述べています。いずれも決め手は「シンクライアント」のようです。

シンクライアントの歴史は古く、1990年代には登場していたと記憶していますが、当時は、サーバの機能も、ネットワークの速度も、PC性能もすべてが十分でなく、実用に耐え得るものではありませんでした。しかし近年の技術進歩により、圧倒的なシステムインフラが安価で構築できるようになったこと、さらには、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」という仮想化技術の登場が、シンクライアントという概念を現実的なものにしたと言えるでしょう。VDIのデスクトップは、通常はデータセンターに設置されているサーバで稼働しており、利用者にはネットワークを通じて画面が転送されてくるだけ。そのため、自宅のPCやモバイルPCで利用してもサーバ上にあるデータが外部に出ることがなく安全と言われています。弊社もVDI製品をファットクライアントに導入することで、比較的安価にテレワーク環境を立ち上げました。私自身も、10数年ぶりにVDI製品に触れることになりましたが、当時では考えられない快適な操作性に驚くばかり。これならテレワークも可能だな、と再認識した次第です。


政府も「働き方改革」の中で重点ポイントの一つとしているテレワーク。今回の新型コロナウィルスの感染拡大で、導入の流れは、大企業のみならず中小・ベンチャー企業にも広がってきています。テレワークの導入により、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を実現し、ワークライフバランスの向上が期待されます。私自身も通勤時間から解放され、趣味や家庭サービスの時間に割り当てられることができ、嬉しい限り。浮いた時間で、「100日後に死ぬワニ」を完読したい。時代遅れ恐怖症気味なので。

(田中記)

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