Windows7の終わり
今月10日の、びわ湖毎日マラソンと、名古屋ウィメンズマラソンが終了したことで、長かったMGCシリーズが漸く終わりました。
MGCシリーズとは、ご存知の方も多いと思いますが、「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」に出場するための、予選会のようなもの。2017年8月の北海道マラソン(男子)から始まり、国内の男子5大会、女子4大会を対象大会とし、そこでの順位またはタイムをクリアすると「MGC」への出場権を得られるというものです。結果、男子は30人、女子は14人が出場権獲得しました。
本方式は、毎回あれやこれやと物議を醸すことが多い、オリンピックのマラソン代表選手選考の透明性と日本マラソンの実力強化を図るため、日本陸連が打ち出した新方式です。出場権を得た選手が9月15日(日)に東京で開催される「MGC」に集い、一発勝負のレースで男女それぞれの代表3枠中2枠を決定するというものです。
MGCシリーズという名の予選会は終わり、いよいよ決勝戦へ。MGCは、選ばれたエリートランナー達だけが競う、マラソン版日本選手権のようなものですので、今からその日がとても楽しみです。
さて、MGCシリーズの「終わり」にかけて、近々もうひとつ「終わる」ものについて触れてみたいと思います。
来年1月14日に、パソコンOSの「Windows7」のサポートが終了します。サポート終了後は、マイクロソフト社からのセキュリティーの脆弱性や不具合などの更新プログラムが提供されなくなるため、脆弱性を悪用した攻撃を受けるリスクが増すこととなり、企業がWindows7を使い続けるのは事実上、難しくなってしまいます。
そこで企業側は、否応なく「Windows10」への移行を迫られるわけですが、この移行作業は簡単ではありません。特に企業ユーザにとっては、使用中の業務アプリケーションや、周辺デバイスへの対応が求められるばかりか、新しいGUIに対するユーザサポート体制、さらにはWindows10から始まった「自動アップデート」など、情報システム部門の頭を悩ますネタが尽きません。マイクロソフト社の発表によれば、国内で稼働するWindows7が搭載された法人パソコンは1600万台あるとも言われています。
WindowsXPのサポートが終了した2014年にも、同様の騒動がありましたが、当時は「ネットワークへの接続を断ち、USBメモリーなども使わず、完全に隔離した状態で使い続ける」という離れ業で乗り切った企業も多く、事実、私が関わる金融機関様でも、同様の対応が見られました。
しかし、あれから数年。クラウドサービスの利用やモバイル端末との連携が、業務の中で当たり前になりました。ネットにつながらないパソコン利用は不便極まりない状況下で、果たして前回と同様の奇策で乗り切ることができるのでしょうか?いずれにせよ、情報システム部門にとって頭の痛い話であることは間違いありません。
話は戻ってマラソン。MGCシリーズにおいては、長年更新されなかった、日本記録が2人の選手により更新されました。この原動力に「目指せ!東京オリンピック」「勝ち抜けMGC!」があることは間違いないと思いますが、もうひとつの大きな要因に「報奨金1億円」という制度が導入されたことがあります。なかなか進まないWindows10への移行作業も、情報システム部門に対して「報奨金」でも出せば、移行作業にかかる時間の新記録がでるかもしれません(笑)
(田中記)