この動産に注目! ― 合成樹脂 ―
年明けてから、2週間近く経ち、日々の天気もようやく少しずつ冬らしくなってきている。後10日程度でいよいよ節季上の「大寒」になり、寒さがいっそう厳しくなることも予想される。しかし、東京の無降水継続日数はすでに記録上の4位に並ぶ18日に達しており、乾燥した寒気でカサカサになっている筆者の手肌がワンランクアップのガサガサ状態になり、痛い手荒れに見舞われるのか、手持ちのハンドクリームの残量もみながら少し心配である。
荒れるといえば、昨年末の米国株式市場の下落を受けて日本株も大荒れの展開となり、大納会でやっとのことで2万円台を守ったものの、2012年以降6年連続で年末の株価が年初の株価を上回るトレンドがとうとう続かず、7年ぶりのマイナスに転じた。米中間の貿易摩擦は日本企業にも大きな影響を与えると懸念され、景気の先行きに対する不安が高まる状況となっているようだ。
今回のテーマである合成樹脂については、まさしく米中の貿易摩擦による影響で中国をはじめとするアジア市場での需要が軟化しており、価格も下落傾向となっている。一方、日本国内では、好調な需要に支えられていることに加え、主原料のナフサの価格上昇で2017年以降は、価格が上昇傾向で推移していた。しかし、日本国内における合成樹脂の供給の約2割が輸入品となっており、足元のアジア市場の需要低迷で輸入品の供給が増加し、日本国内の流通価格を押し下げる要因になりかねない。日本の石化大手はナフサの価格上昇などを理由に昨年後半で相次いで合成樹脂の値上げを発表したが、実際のところは需要家による抵抗が強く、値上げは浸透していないとみられる。
今後は、米中の貿易摩擦に伴うアジア市場の動向次第で、国内の合成樹脂の価格が下落に転じることも考えられる。
ところで、米中間のいざこざに伴う景気の先行き不透明感が強い中、日本銀行の黒田総裁は年明けの支店長会議で国内景気について、「緩やかな拡大を続ける」との見方を示している。果たしてその発言を正直に受け止めるべきか、昨年末の株式市場の大幅な調整で被ったちょっとした痛手の取返しを狙う筆者にとって、その判断は新年早々の一番の悩みとなっている。
(孫記)