お知らせ&コラム

2018-05-10 注目動産

この動産に注目! ― 普通合板 ―

 ゴールデンウィークを過ぎ、全国の天気は急にぐずつきはじめ、連休明けで憂鬱になっているのが凡人のわれわれだけでなく、連休中に人間界から神社仏閣を通じて多くの賛美や奉納を楽しんだ神様や仏様もひざ元から人々が 一気に減ったせいでだいぶブルーになったかもしれない。連休明けから次の3連休まで68日もあるといわれているが、当分の間日常が続くことに観念した筆者は、カレンダー上で68日間を数えて確かめる勇気を奮い起こすことはと てもできない。

 勇気といえば、最近は韓国と北朝鮮の指導者が勇気をもって朝鮮半島の非核化と年内の終戦を宣言したことがニュースになっている。北朝鮮に関する情勢が急速に好転する中、中国と北朝鮮が接する国境の町である丹東市には 資金が流入し、土地価格が急上昇していることが報じられている。また、北朝鮮の住宅などの不動産市場への投資に関する問い合わせが増えていることも伝えられており、投資家の勇気と情熱にはまさに脱帽である。

 ところで、今回のテーマである普通合板については、主に住宅や家具などに使われている。その価格について、足元は輸入品を中心に強含みで推移している。普通合板は国内で生産されるほか、インドネシアをはじめとする東 南アジアなどからも多く輸入されており、輸入品と国産品の割合は約55%:45%となっている。また、国内生産の合板でも使用する原材料の一部は東南アジアなどからの輸入木材となっており、国内生産用原材料全体の約2割を 占めている。このため、日本国内における合板の価格も原材料・製品の主な輸入先である東南アジア各国の生産動向によって大きな影響を受ける。

 この頃では、インドネシアやマレーシアにおいて長雨や環境規制に対する取締強化の影響で原木の供給が減少している。これを受け、輸入合板の品薄感が強まっており、普通合板全体の価格を押し上げる展開となっている。一 部メディアの調査によれば、東京市場における南洋材普通合板(厚み2.4ミリ、920×1830ミリ)の価格は4月時点で1枚あたり530円と、昨年末時点の480円から約10%上昇している。すでに現地では雨季が過ぎ、雨による影響がほぼ解消されたものの、林道の状態が悪いなど原木の生産が完全に回復しておらず、原材料の供給も依然として停滞している。

 輸入合板の原材料の供給が停滞していることから、日本国内における合板の価格も当面は堅調に推移することが予想される。ところが、「停滞」に関しては、日本の国会でも今はモリカケ問題で法案などの審議が停滞している。 国会の正常化に向け、ここにきて柳瀬首相秘書官がようやく参考人招致に応じたることになったものの、結局は是でも非でもないただの記憶にない嵐が国会で吹き荒れるだけなら、ドラマチックな展開を期待する人々にとっては やはり面白くないかもしれない……

(孫記)

一覧に戻る