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2018-03-12 注目動産

この動産に注目! ― カカオ豆 ―

 年度末に近づき、季節が大きな変わり目を迎えようとしている。日々の寒暖差が激しくなり、出勤に出かけるときには服を厚めにするか薄めにするかと、何やら悩む日が多い。気温の変化に伴って体調を崩すリスクも高まり、休みの口実を得るとはいえ、病院に顔を出す羽目になることもあり得るため、体調管理には気を緩められない。

 気温の変化が激しいというと、このごろ国際情勢も目まぐるしく動き、変化が激しくなっている。平昌オリンピックをきっかけに韓国と北朝鮮の融和ムードが高まり、米朝の首脳会談も実現に向けて動き出した一方、米国のトランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに輸入関税を課すことを決定し、中国などの貿易相手国との貿易戦争が一触即発の状態となっている。こうした動きは日本にとっても他人事ではなく、ようやく膠着状態から打開されそうな森友問題と合わせて日々のニュースも久々少し面白くなりそうだ。

 ところで、今回のテーマであるカカオ豆も世界貿易で影響を受けやすい動産となっている。日本では、チョコレートなどの生産に使われるカカオ豆はほぼすべて輸入に頼っているが、カカオ豆の国際価格は西アフリカなどの主要生産地の作柄によって大きく変動する。足元では、主要生産国のコートジボワールやガーナなどでは天候がよく、2017~2018年産のカカオ豆の生育が順調とされている。このため、豊作による供給増が予想され、カカオ豆の価格も軟調に推移している。一部メディアによれば、国際価格の指標となるロンドン市場の先物価格はすでに2016年につけた高値水準から4割程度下がっているという。ただ、カカオ豆の需要は世界的に堅調であり、価格の調整はいつまで続くかが注目される。

 日本でのカカオ豆の需要は2月のバレンタインデーですでに1つのピークを過ぎ、今はその返しで思いを巡らす方も少なくないと思う。筆者の家庭では、こうした2月と3月の儀式は定例ではないものの、2、3年おきに執り行われることもある。今年は妻から特に何ももらえなかったが、ただ数日後に何も差し出さないで済むのか、やはり妻の気分に少しハラハラするところである。

(孫記)

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