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2017-11-20 Fintech

ロボットとの共存共栄

先月末のこと、次のような新聞記事を目にしました。「みずほFG、10年間で1万9千人分の業務量を削減へ」

記事によれば、今後10年程度で、グループ全体の3分の1に相当する約1万9千人分の業務量削減を目指すとのこと。金融とITを組み合わせた「フィンテック」やAI(人工知能)の業務への活用を加速させ、支店の窓口で担当者が行う業務の一部をロボットに代替させたり、ネット対応に置き換えたりして業務量を大幅に減らすと、報じられていました。

ロボットによる業務自動化の取組みを表す最近の流行り言葉として「RPA」があります。
「RPA」とは、Robotic Process Automation の頭文字であり、今まで人間がPCに向かって行っていた事務作業をソフトウェアが代行してくれるロボット技術のことであり、幾つかののアプリケーションを連携操作したり、画面の値を確認して最適なデータを入力するなど、主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担います。
これまでは、ロボットの活躍範囲は工場のライン業務などの特定の業務に限られてきましたが、RPAは汎用化によってロボットの活躍範囲を拡大し、ホワイトカラー業務全般に対応できる技術として大いに期待されています。

RPAの強みは幾つかありますが、中でも「働き続ける」「間違えない」という点がここではポイントです。RPAは既にIT化が進んでいる業務に対して、24時間休みなく、与えられた仕事を正確に行い続けることが可能です。したがって、金融は他業界に比べてIT投資を継続的に行ってきた業界であり、まさにRPAとの親和性は高く、Fintechの柱となる技術と言えます。

一方で、FintechのようなITやAIによる技術革新が進めば、間違いなく技術的失業者は増えることとなり、問題視する意見も散見されます。しかし少子高齢化が進む中で、業務をロボットに置き換えて省力化を図る流れは必然。これまでコツコツと勉強し、技術力を高めて来た人間にとっては、たまったもんじゃないかもしれませんが、人間は人間にしかできないことをやる時代が始まっているようです。

だからと言って不安になる必要はないように思います。世の中の進歩はいつも想像をはるかに越えてきました。都市部に路面電車やタクシーが出現するようになると、篭屋や人力車は減りましたが、人間の仕事は増えました。インターネットが普及し、色々なものが自宅に居ながら購入できるようになりましたが、物流をはじめとするあらたな仕事が増えました。効率化により、ある仕事が無くなっても、またあたらしい仕事が作られる。人類の進歩はその繰り返しのような気がします。

今後はロボットと共存共栄の時代です。定型業務はRPAのようなロボットに任せ、人は人とコミュニケーションを図り、考え、意思決定することが、付加価値業務といえるでしょう。弊社のFintechサービス「eTACT」も、金融機関様がお取引先企業様とコミュニケーションを図るうえで必要なアプリケーション、ネットワーク、スマートデバイス等のICTサービスを、高品質、高セキュリティでご提供することを目指しています。

私もロボットに負けぬよう、ベーシックインカムの議論に一喜一憂してばかりおらず、しっかりとコミュ力を鍛えておかなければ・・・

(田中記)

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