お知らせ&コラム

2017-09-20 Fintech

「CASH」

Fintechと言われるカテゴリーの中においては、時にこれまでの常識では想像もできないような金融サービスが生まれています。
そんな中において、最近、驚かされたサービスのひとつに「CASH」があります。

先月末のサービス再開の際には、日経新聞の全国版でも取り上げられたほどですので、ご存知の方も多いかと思いますが、改めて簡単に紹介しておきます。

CASHとは、株式会社バンク(https://bank.co.jp/)が運営するスマホアプリを利用するサービスであり、「目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わる」というセンセーショナル?マジカル?なコピーがつけられ、世に提供されています。

利用者はスマホで売りたい商品をスマホで撮影して送信すると、瞬時に買取額が画面に表示されます。利用者がこの金額に同意するとあらかじめ登録した口座に現金が即時入金され、あとは商品を2カ月以内に送ればよいというもの。あっという間に現金が手に入る割には、ユーザーの本人確認は電話番号のみという、極めて低い与信システムでサービスを利用することができます。

このように利用者にも商品にも1度も対面することなく、いわばノールックで現金を振り込んでしまうというモデルは、金融に少しでも携わる人間にとっては「これまでの常識では想像もできない」驚くべきサービスであり、幼い子供でも「大丈夫なの?」と疑問を抱く性善説を前提としたものであり、ヤフオクやメルカリよりも使い勝手が良さそうと、公開前から当然のように話題を集めました。

その結果、6月末のアプリ公開と同時に利用者が殺到。1日で約7万超の商品が総額約3億6000万円で現金化されてしまい、翌日にはサービス停止に追い込まれました(その後体制を立て直し、ひと月前の8月24日にサービスを再開しています)。

このサービスの良し悪しについてはここでは触れませんが、この圧倒的な「常識破り」はFintechに期待されることのひとつだと思います。
 小口の現金を簡便かつスピーディに調達できるマイクロファイナンスへのニーズは昔から存在しており、しかし大手金融機関が手を出せなかった大きな理由に「コスト」があります。しかし「CASH」は、このような金融ニーズに対して、ITを最大活用してコストを下げるとともに、日本に昔からある文化、質屋の要素を取り込んでしまいました。このアイデアは素晴らしいと思います。恐れ入りました。

 弊社もFintechサービスを世に提供する立場のひとり。弊社は「CASH」のように個人のファイナンスニーズを満たすためのFintechサービスではなく、金融機関の法人取引における高度なコミュニケーションを実現するためのFintechサービスを「eTACT」と命名して世に送り出しています。よって対象とする相手は違いますが、「ITを最大活用してより便利な金融の世界を作り出したい!」という、Fintechサービスへの思いには近いものがあると思います。弊社Fintechサービスの第一弾である「動産Value」も「CASH」のように、世間の中を「あっ」と言わせる日が来るよう、日々レベルアップを図って参る覚悟です。

(田中記)

一覧に戻る