IoTが金融を変える?
最近良く目にするIoT。IoT(Internet of Things)とは、直訳すれば”モノのインターネット”となり、古くはユビキタスなどと呼ばれていたものと大きな違いはありません。パソコンやスマートフォンなどのデジタル端末だけではなく、自動車や家電、建物や機械などのあらゆるモノがインターネットを介して情報をやりとりする仕組みであり、これらのデータを活用して、新たな付加価値を生み出そうという動きが盛んです。
総務省の情報通信白書(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc254110.html)によれば、2013年時点でインターネットにつながるモノ(IoTデバイス)の数は約158億個であり、2020年までに約530億個まで増大するとされています。また成長率の観点からは、自動車や産業の分野でのIoTの注目が進むとみています。最近はやりの女性お笑いタレントは、キャリアウーマンネタで「35億」を決め台詞にして人気ですが、IoTはその何倍のモノ達から、日々情報が収集されているのです。
このように、我々の生活の周りに存在するあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りがなされるようになると、それに伴ってどんどんデータが蓄積され、これらデータに基づく新しい製品やサービスが生まれてきます。
例えば、私たちが日々利用する自動車には数百のセンサーが組み込まれていると言われており、そこから得られるデータはインターネットを介してセンターに送られています。この中の位置情報データは、ドライバーの好みや、時間にあった付近のお店の情報を届けるサービスに活用されており、将来的には位置情報データと自動運転機能とを組み合わせた無人の配送システムなども検討されているようです。
Fintechの分野でも、個人に最適化された保険の組み立ての利用が始まっています。自家用車のセンサーが収集したデータは、コンピューターで解析され、ドライバーの運転技術レベル、運転時間帯、長距離運転の有無、メンテナンスの状況などから事故リスクを予測し、保険料を算出するというものです。優良ドライバーと認められれば、保険料が大きく割り引かれるということもあるようです。
このようなIoTを使った自動車保険は「テレマティクス保険」と呼ばれるそうであり、アメリカ、イギリス、ドイツなどで導入が既に始まっているようです。日本での導入には法制度の整備が必要とも言われていますが、そう遠くはない将来に登場する可能性があります。
さて私は「テレマティクス保険」が導入されると保険料が安くなるのでしょうか?実は私は週末ライダー。兎角、問題視されがちなバイク乗り達の保険料はお高め。ですが、私のように安全運転を心掛けるライダーをIoTで見つけ出し、適正に評価される保険が登場することを期待して已みません。
(田中記)