コメの価格(その2)
先月(3月)に続いて米の価格について、触れてみたい。
農林水産省「米の相対取引価格」によれば、福島県産コシヒカリ(中通り・会津)の価格は以下のとおりとなっている。
単位:円/60kg税込
コシヒカリ(中通り):A | コシヒカリ(会津):B | A/B(%) | |
2014年10月 | 9,774 | 13,103 | 74.6% |
2015年10月 | 11,788 | 13,375 | 88.1% |
2016年10月 | 13,660 | 14,434 | 94.6% |
2017年3月 | 13,838 | 14,674 | 94.3% |
2014年10月時点(平成26年産米)では、中通り産コシヒカリの価格は会津産コシヒカリの約4分の3であったことが分かる。1年後(平成27年産)は価格差が約12%に、現在ではその差は5~6%程度に縮小している。
新潟県魚沼地域(5市2町)はコシヒカリの産地として全国的に有名であるが、県境を接する福島県会津地方も従来から優良米の産地として名高い。その会津産コシヒカリと遜色のない価格で中通り産コシヒカリが取引されている状況にある。
おそらく、いろいろな経緯の中で2014年時点の価格差は形成されていたのだろうと推察するが、福島県のホームページ「ふくしま復興ステーション(復興情報ポータルサイト)」には、県内産米の全量全袋検査、産地における自主検査、出荷自粛・出荷制限情報等、様々な情報が公開されている。
福島県の生産者の方々の努力に行政の取組が加わり、流通事業者や消費者が上述した価格を認めている。4月26日に辞表を提出した今村雅弘復興相の発言は、こうした生産者や行政の努力をないがしろにするものであり、残念でならない。
今後も、モノの需給や価格等、表面的な事象だけでなく、生産者や行政、流通事業者の努力や取組にも留意しながら、様々なモノ、業界に着目していきたい。
動産Valueには食用米(玄米・精米)、加工用米、輸入米の3種類を掲載しています。是非、ご活用ください。
(堀記)